リアルマネートレーディング


リアルマネートレーディング (Real-Money Trading、 RMT 、リアルマネートレード)は、オンラインゲーム上の所有アイテムやアカウントやそのキャラクター(育成代行を含)を、現実世界の財産(主に通貨)と交換する行為のことである。大抵の場合、略称の RMT が使われるが、一部のマスメディアではアールエムティと呼ぶ例もある。

概要

リアルマネートレーディング(以下RMT)は、「仮想通貨が存在し相場が形成されている」「アイテム譲渡が可能である」など、擬似的な経済システムが成立しており、ユーザー数も多い大規模なMMORPGで行われている。とりわけ、ゲーム達成の優劣が個人の技量よりも、単純な累積プレイ時間とキャラクターのレベル値、そして装備の特殊能力や高級消耗アイテムなどの総資産量に左右されがちな特性をもつゲームにおいて顕著である。

RMTが蔓延する遠因としては、上記のようなシステム下において、ゲームを長時間できるプレイヤーと短時間しかできないプレイヤーの経済やコミュニティが同一化している傾向があり、かつ所得格差(すなわち所持している仮想通貨、希少アイテム、武器防具などの装備アイテムの性能差)が際立つ構造となってしまっていることが挙げられる。これらは、RMTが盛んなことが問題となっているネットゲームに概ね共通する特性とも言える。そして、RMTを生み出しているのは、一見プレイヤー側のようであるが、構造的要因としてゲームシステムそのものと運営が大きく関連している。

RMTが行われる過程で詐欺行為やゲームバランスの崩壊などのトラブルが頻発する。一部にはプレイヤーキラーなども絡んで「RMTをしない正直者が馬鹿を見る」という構図さえ作られ、これによりプレイヤー離れや新規プレイヤーの継続率低下を起こしているタイトルもある。これらの事を理由としてRMTを嫌うゲームユーザーも多い。運営会社の多くはRMTに対して否定的な見解を示し、取り締まり行為を行っているが、一方では逆に積極的にRMTを推奨し利用するMMORPGも存在している。以前はRMTといえばアンダーグラウンドに分類される事も多かった話題であるものの、現在ではRMT行為が広く行われ、多くのオンラインゲームで規約違反行為・モラルに反する行為として問題視されていることは最近では周知の事実となっている。その市場規模については、実態が掴みにくいものであるだけに根拠や計算方法によって数値が大きく変わってくるものの、シンクタンクなどが弾き出した数字として、年間150億円から500億円という規模に達しているという見方もあり、さらに増大傾向にあるともされる。

現在ではプレイヤー間のRMTに留まらず、それを仲介する業者や、RMTを行う事だけを目的にゲームに接続しアイテムや仮想通貨を大量生産する『業者』も存在しており、問題をより複雑なものにしている。

ゲーム内経済とRMTレートの決定

ゲーム内の相場(アイテムの売買等)は、通常ユーザー間の相互同意で決定されるものと、ゲーム世界内店舗の定価で決定されるものがある。具体的には、チャットやゲーム世界内部および外部のBBSを利用して形成される相場を元にしたユーザー間取引が専らである。

ユーザーが増えゲームワールドが成熟化するに従って徐々に希少アイテムが流通し始めると、同時に仮想通貨の流通量も漸次増えてゆく。その結果、「取引高」が増すので、あるアイテムを基準とした取引相場は下がる傾向にある。アイテム価値全体としてみれば、底辺部分のアイテムの取引相場は変わらず、頂点部分が希少アイテムの増加で拡大しているということになる。また、サーバー開設直後は仮想通貨・アイテムともに絶対量が少なく、大量の通貨を保有した事によるゲーム内での優位性が通常の比ではなく高まるため、相場が極めて高く推移する。

ゲーム上の通貨やアイテムと、現実通貨との交換レートは、元々アンダーグラウンドなものであるため公式に定められていない場合がほとんどで、前述のように推移するゲーム内経済の流れからRMTレートは定まってゆく。前述のような経済構造のゲームでは、どのRMTレートもゲームワールドが時を経てゆくとレートも下がってゆく為、結果として数百倍もレートが変動する場合も珍しくないが、ゲーム世界内での仮想通貨の価値と現実の通貨の関係を考慮すれば、比較的釣り合いの取れた市場となっている。具体的には、ネットオークションやRMTサイト、BBSなどによって自然とレートが定まる。

リアルマネートレーディング(RMT)の意義・賛否

初期のRMTは、ゲームを辞める者が、ゲーム内の仮想財産や自分のアカウントを処分する形で行われていたものである。しかし今日ではその売り手は多様化しており、「RMT自体を生業とするプロ・ゲーマー」さえ存在している。また下でも別に詳述するが、海外よりアクセスし、RMTのみを目的としてプレイする「 ゴールドファーマー 」と呼ばれる組織化されたプレイヤーも大口の売り手になっている。

RMTが盛んに行われている多くのオンラインゲームではその構造上、ゲーム世界の進展についてはフロンティアともいえる累積プレイ時間が長くレベルの最も高いプレイヤーが最先端を行く事になる。一方で、一般社会人などのライトユーザーは、プレイ時間が制限される事でなかなかゲームを先に進めたり優位に立つことができない。この差を強力な装備やレアアイテムで補おう、そして、そのために必要なゲーム内で使える通貨をどこかから調達しようという意図を持つ者がおり、これらの者たちをRMT業者は購入者として主たるターゲットにしており、ゲームにもよるがこの購入者を指す言葉として「 RMTer 」というものがある。他方、RMT行為の蔓延によって所持財物の均一化がなされてしまったゲーム内社会においては、プレイヤーの間で更に激しい財物競争が発生する。特にアジトなどの拠点や、高レベル装備が極端に高価値なゲームでは、時間を十分に取れる立場のプレイヤーまでもがRMTerとなり、特にこの様な者たちは高価な高レベル装備確保を目的として大量のゲーム内通貨を購入する様になる。

高レベル装備の価値や生産コストが極端に高いゲームでは、レベルや価格毎の装備の性能差も著しいものが多く、同時に戦闘での収益効率やそれを支える装備性能と装備固有の特殊スキルが最重要視される傾向が強い。このため、PvPのみならず通常の戦闘や対ボスモンスター戦などでも、装備差を理由としてのパーティからの追放(キック)などの差別行為が横行する事が珍しくなくなる。これもRMTによるゲーム内通貨購入への強力な動機となる。すなわち、プレイヤーの操作スキルではなく装備性能に大きく依存するゲームでは、RMTを使用してでもレベルに応じて使用可能な最高の装備とアイテムを揃え続けなければ、ゲームのプレイ続行そのものが極めて困難になり、プレイのテンションの維持ができなくなる。

その他、一部のゲームでは、上級装備の製作に成功率の上限が設定されており、上級装備については高コストである上に制作失敗のリスクを常に伴う状態がある。プレイヤーから見た場合、この上級装備製作の失敗という要素は巨額の金策を再度強いられる事に直結し、プレイに際して大きな支障と苦痛を場合によっては数カ月間に渡って強いられる重いリスクである。このため、この様な高レベル装備が必要なレベル帯のプレイヤーには、この製作失敗リスクを避けたい、さらには可能ならばどうにかして装備の現物を入手したいという心理を持つ者は多く、この様な者たちもまたRMTによるゲーム内通貨の購入者となるケースが多い。

また、高性能な上級装備について稀少価値や特別な存在感を持たせるために、そのゲーム世界内の存在数に応じた製作成功率の調整(引き下げ)などといった事実上の量的規制を行っているゲームもある。この他、特定のボスモンスターから毎月1個~数個しかドロップされないために異常なまでの高価値を持つ超高性能装備が存在するケ